シンガーソングライター石村吹雪オフィシャルサイト

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その場ちがい弐

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おろしナメタケ卵焼き


あなたは毎朝早起きして
新鮮卵を求めて朝市へ
何よりその生き様が美しい

こだわりの朝 こだわりの味
おろしナメタケ卵焼き

あなたは毎日夕方には
新鮮大根探しに八百屋巡り
誰よりその生き様が美しい

こだわりの夜 こだわりの味
おろしナメタケ卵焼き

あなたはたまに買いにいく
ナメタケ小瓶を求めてスーパーへ
うかがい知れぬその価値観が美しい

こだわりの朝 こだわりの夜
おろしナメタケ卵焼き

傘いらず


春日通りをミニスキーで滑ったこと
遠い思い出話になるのか

地球は暖かくなっているという
遠い南の島が海に沈むのを君は悲しんでいるが
僕は東京に雪が降らなくなるのが悲しい

だいたいのところ一致
嬉しいも悲しいも紙一重
晴れ後曇りはつまりどっちでもないし
ともに傘は要らない

膝まで雪に埋まりながら待ち合わせた
西口公園を猫があるく

地球は暖かくなっているという
この冬も電気代が少なくなるのを君は喜んでいるね
僕は真っ白な一番きれいな東京が見たい

だいたいのところ一致
嬉しいも悲しいも紙一重
例え雨に濡れようと家で風呂に入る
つまり傘は要らない

二月


踵の減った靴で階段を昇りました
時間よりも早めにあなたを待っていました
通り過ぎ行く人はわき目も忘れて
急いで暖かい部屋を目指して
自分の足下を見ています

あの冬は毎週膝まで積もりました
アスファルトや街路樹から片手で掴めるほど
編み目も凍るまで丸めてぶつけ合って
慌ててあなたの部屋に入れば
眉毛までびしょぬれました

あなたの肩を痺れる指で
掴んだままで嚔を三つ洟

お正月よりも車のない町を
我が物顔ではしゃぎ回って
交差点に達磨を立てました

毎週末に上手いこと積もって
ふたりの秘密 火曜日には解けてました

二月に入って雪が降らないと
知らない町で暮らしているような気もします

あなたとあの日歩いた公園の
氷の浮いた池の辺りを歩きます

二人の時間


僕らが出会って別れたそれだけのこと
僕らの外には誰も知らないこと
歌にもならないことなのでしょう
誰かに聴かせて何になりましょう
片づけられない二人の時間

愛の梵語


ふたりの秘密を僕らはどれだけ
窺い覗いて見られるのかな

確かなことは只ひとつ ふたりは結ばれました
精神的に肉体的に法律的に
明らかなのは只ひとつ ふたりは相変わらずに
よく歌いつつよく笑いつつよく唱えつつ

下司の私が勘ぐったとしても
ふたりが互いに惹かれ合った理由はわからない

果たして愛ならここにあるのでしょう
お守りの数だけ散らかったままだった
心の部屋は片付いていたのでしょう
気付けばふたりはそこにいたのでしょう

確かなことがもう一つ ふたりが結ばれるには
資格は要りません
ひとつあったっけか
あれなんだったっけか

ぽれぽれラリーとカンツォーネ
民法税法四智梵語
そう若くては
そう分からない
娑婆訶仕込み

下司の私が勘ぐったとしても
ふたりが互いに惹かれ合った理由はわからない

果たして愛ならここにあるのでしょう
みんなで囲んだここにあるのでしょう
お守りの数だけ散らかったままだった
心の部屋は片付いていたのでしょう
気付けばふたりはそこにいたのでしょう
気付けばふたりはここにいたのでしょう

*
諸注意事項その1
食事は運ばれてきます
そう焦らずに損しないでね全部食べてねトイレはあちら

諸注意事項その2
ご歓談の時間はありません
歌の途中でも
お喋りの方は
どうぞご自由に

諸注意事項その3
お料理は運ばれてきます

あたりまえのこと


春に出会って
夏には一緒に暮らしていたり
週末に会って
月曜偶然待ち合わせたり

ものごとには大抵面倒な段取りというものがあり
楽しくもあり悲しくもあり

いらないいらないなんといらないんだ
君と僕が会う理由なんていらないんだ
あたりまえだもの

春に出会って
残業時間が半分になり
週末になって
慌てて洗濯しなくなったり

ものごとには大抵無駄があり
簡単にカタがつくのに
嬉しくもあり虚しくもあり

いらないいらない何もいらないんだ
君と僕が暮らす理由なんていらないんだ
あたりまえのこと

いらないいらない何もいらないんだ
君と僕で生きる理由なんていらないんだ
あたりまえのこと

春に出会って
それが理由の
今日が記念日

ふつうのお願い


どこから見たって至って普通
背丈も目の色も歯並びも
いつからいつまで区切ってみても
ことさら伸び悩むこともなく
そんな私のどこが良いのそんな私のどこが良いのそんな私のどこが良いの

誰から見たって至って普通
仕事も友人も間に合ってる
いつまで待っても自分のどこが
光っているのか見つからない
そんな私のどこが良いのそんな私のどこが良いのそんな私のどこが良いの

期待してるよこれからずっと先でも
私のいいとこ褒めてくれることを
例え照れてもかなりかっこわるくても
私のことだと分かるように言って

一晩越えても至って普通
色気も食い気さえ変わらない
いつまで経っても自分のことが
良いとも悪いとも決められない
そんな私のどこが良いのそんな私のどこが良いのそんな私のどこが良いの

期待してるよこれからずっと先でも
私のいいとこ褒めてくれることを
例え間抜けな寝言の中だとしても
私のことだと分かるように言って

名もなき男


闘いをひととき忘れるまどろみの朝
久しく忘れていた時計の音が響く
誓いの夜は明け
明日は今日になる
温もりが愛しい
私はあなたのための名もなき男になろう

営みをこなして過ぎゆく気詰まりな朝
寝顔にかぶる髪を静かに指でのける
あなたと呼ばれたら今すぐ抱きとめよう
名前などもういらない
私はあなたのための名もなき男になろう

ホテル


ホテルの窓はやたら大きくて
なんだか少し恥ずかしい

ホテルのお風呂はやたら広くて
個人メドレーしてしまう

ホテルは最上階

ホテルの壁は薄いときいたから
なぜだか耳を当ててしまう

ホテルの朝はとても早くて
なんだかみんな恥ずかしい

ホテルは最上階

運命の待ち人


待たせて御免 二十年以上
待ってなかったとは言わせないよ
運命の日は突然やってくる
さぁ君の間に合わない人生もこれまで
なにせ僕はタイムキーパー
自他共に認める

これで君は間に合った
これで君は間に合った
そして足りないものがなくなって
よかったね。

待つ人がいない!さまよえる日々
駅で帰り道で交差点で
運命が転がるのを待っていた
さぁ名残惜しい扮装ごっこもこれまで
なにせ僕は君の素顔知っているのだから

これで君は間に合った
これで君は間に合った
そして足りないものがなくなって
よかったね。

これで君も間に合った
そして僕も間に合った
まずは足りないものがなくなって
よかったね。

ふしぎなきもち


さみしがりやのうたをききますか
あなたがもしいまへやでひとりなら
ひとりぶんだけあけてくれますか
あなたのとなりでささやくように
困らせた分
あなたは僕の想いうけとめて下さい
ああ ふしぎなほど いま
やすらかにすべてをかんじている
ああ ふしぎなほど いま
あなただけはしんじられるきがして

さみしくなってかぜをかんじたら
いつでもぼくのことよんでください
その場かぎりのうそならどうぞ
でもあなたをひとりでなかせたくない
素顔の数をあなたのきもちとして
うけとめていいですか
ああ ふしぎなほど いま
やすらかにすべてをゆるしている
ああ ふしぎなほど いま
あなただけはしんじられるきがして

言葉を信じれる程
素直じゃない僕だから
もう少しみつめさせて
ああ ふしぎなほど いま
まよわずにあなたをみつめている
ああ ふしぎなほど いま
あなただけはしんじられるきがして

香港からの手紙


あの人から手紙が来るはずで
毎日ポストを覗いてましたら
香港から手紙が来ました
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あなたの夢が実現するかもと

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締め切り日までにこの申込書を
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なんだか当たったのね
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こんなの待ってないの
なんだかわかんない手紙

こんなの待ってないの
明日は燃えるゴミの日ね
それだけは当たりね

メモリー


憶えの悪い君に手紙を書いてみた
覚えの悪い今の僕にはそれしかなかった

古風な手よねと君は笑って振り返る
目出たく肩を並べてお守りにどうかとすすめた

そんな大事なもの どこへしまったか
忘れている 君に呆れては

憶えの悪い君に何度も電話をする
例えの悪い僕の話で白けてしまった


頭の悪い君といえども忘れない
後味の良い恋の記憶はあるものでしょう

涙もっといっぱい 見せて伝えよう
心のファイルに栞を挟むように

憶えの悪い君といえども忘れない
丈夫で長保ち 僕のメモリー差し込んでみる


涙もっといっぱい 見せて伝えよう
心のファイルに栞を挟むように

頭の悪い君に心を奪われて
後味の良い恋に憧れ心尽くすよ

憶えの悪い君といえども忘れない
後味の良い恋の記憶に留まりますように

増明寺


原因不明で医者に行っても治らない
自分をコントロールできない
急に次から次へと病気になる
アルコール中毒でお酒が止められない
精神不安定ノイローゼ引きこもり

例えば特にこんな悩みでお困りの方へ
因縁・解脱・霊障・除霊
因縁・解脱・霊障・除霊
不幸の理由は因縁と霊障
まずはお電話下さい
または増明寺どっとこむ

自分の将来が見えない
一つの仕事に落ち着かない転職が多い
職場の人間関係に悩む
最近は何をやっても上手く行かない
事業不振

例えば特にこんな悩みでお困りの方へ
因縁・解脱・霊障・除霊
因縁・解脱・霊障・除霊
不幸の理由は因縁と霊障
まずはお電話下さい
または増明寺どっとこむ

不倫問題再婚問題
良縁に恵まれない
なかなか結婚できない
浮気の悩み離婚別れ話
嫁姑問題夫婦関係がない
家庭内のいざこざが絶えずトラブルが多い

例えば特にこんな悩みでお困りの方へ
因縁・解脱・霊障・除霊
因縁・解脱・霊障・除霊
不幸の理由は因縁と霊障
まずはお電話下さい
または増明寺どっとこむ
zomyozi.com

たしかなおしごと


わたしかめですが
おにもつ運びます
所詮亀だとお笑いですね
風が強く雨が降っても
わたしがするのは
たしかなおしごと

猫が走るから
鳥は飛んでいきます
やはり亀だとお笑いですね
潮が満ちて月が欠けても
わたしがするのは
たしかなおしごと

わたしかめですが
おにもつ運びます
わたしがするのは
たしかなおしごと

Information

型番:PMCD-IF 18
発売:2005年 02月
価格:¥1,000

SHOP

 ラブレコード閉店に伴い、CD作品集をお求めの場合はご一報ください。ライブ会場にご用意させていただきます。
 遠方の方は別途ご相談ください。

ペンツマンレコードで購入

 完  売 

ジャケット デザインはTOMO工房さま

2005年3月13日、当時の弁。

  前回作に続き、ギターを弾いて歌うという単純素朴な形を録音してみました。一歩間違えるといわゆるただのデモテープ作品となりますことを意識しながらも、一歩一歩出来る限り丁寧に反復横飛びした次第です。

ご挨拶

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